What Can a Hippopotamus Be?

大学院で勉強しています。なんでもない、だからこその日常をつらつら記述しています。

スイッチを押す

 今の職場で働き始めてから、約半年が経った。訪問看護の現場には、最新の医療設備やコンピューターなどはないけれど、ゴッドハンドと言ってもいい看護師の「手」がある。先輩看護師の手から学ぶ毎日は刺激的だし、利用者さんとじっくり関われる現場はしんどくもあり、楽しくもある。こういう日常を送っていると、「楽しさ」は大変さと表裏一体なのだと思う。

 職場で働き始めてから半年が経過したということは、大学院を休学してから半年が経過したということだ。大学院で学んだことは何か?と聞かれたら、私は「挫折」だとすぐに答える。そして自分で苦笑してしまう。不思議なもので、自己評価と他者評価があまり一致しないこともあるものだという経験をした。それは、現場に復帰してから、あらゆる場面で「文章がわかりやすい」と言われることが多いから。自分ができなくて悩んでいたことも、悩んだ甲斐があったというものだ。報告書や記録に役立っていることが何より。そして、言葉を学んだことで、患者さんへかける言葉のバリエーションも増えたし、自分の感情を整理することにも役立っているとも思う。

 今は現場が楽しすぎて、大学院に戻ろうなんてすぐには思わない。ただ、いくつか取り組んでみたい研究のテーマには出会えた。それだけでよかったのかなとも思う。私の人生の中で、大学院を休学したこと、そして訪問看護の道へ進んでみたことは、きっと何かのスイッチになってる。まだまだ五里霧中。心を崩さないように、自分の中のバランスを取って、ぼちぼち進んでいこう。