What Can a Hippopotamus Be?

大学院で勉強しています。なんでもない、だからこその日常をつらつら記述しています。

ラップについてこんなに考えたことはない①(シリーズ化不明)

二階堂くんのラップは「Kis-My-Ft2」の楽曲だからこそ輝くと思っていた。なぜなら、キスマイの楽曲が洗練されているからだ。「洗練されている」というのは、ラップをどこに入れ込むと楽曲として輝くのか、メロディではなく、敢えてラップでないといけない理由がすべて説明されているという意味である。

 

キスマイの楽曲の中でのラップの立ち位置はこんな感じである(私的解釈による)。

・ボルテージを上げる役割(LIVEでの熱量を上げるという意味も含む、煽り)

例:A.D.D.I.C.T. ”滅茶苦茶にさせる 正常じゃいられない”

※ラップとともに、注意喚起させるような低めのサイレンのような重低音が3回ループする ベース音はラップの切れ目と一緒に刻まれる

・楽器としての役割(装飾音)

例:This crazy love  "Hey baby You gotta get closer"

※北山先輩のメロディをなぞるように奏でられ、ハウリングのように共鳴し、楽曲のエッセンスとなる。

・メロディーの歌詞の意味をより具体的に説明する。

例:r.a.c.e.  "(Imma win the Prime Race)"

※「だからとめられない」理由と、r.a.c.e.は主人公にとってどのような意味があるのかを端的に説明。

 

こうしてみてみると「かき氷はじめました」という調子で「ラップ入れてみました」というレベルではないことがわかる。彼のラップが突出してよく聴こえるのかは、このような完全に計算され尽くした楽曲だからこそであるはずだった。でもそれは違ったのだ。

JUMPの「UMP」のラップ(feet二階堂)を聴いてしまったからである・・・

私は特にJUMPに詳しいわけではない。もちろん、あの明快で誰もが親しみやすいUMPは略すほどに知っているが、歌詞まで覚えているわけでもない。だから、二階堂くんがどのような歌詞をラップしているのかも正直わからなかった。それでもなぜか輝いて突出して聴こえたのである。

なぜだろうか。やはり彼の”声”なのである。ハスキー、とひとことで言ってしまえば簡単だが、そんな簡単に説明のつく話ではない。

少し話は変わるが、フレディ・マーキュリーがあの声を出せるのは、歯が前に出ている分、口の中の空間が人より広く、響くからだと聴いたことがある。

私は、二階堂くんの口の中の空間が広いかどうかを追及したいのではなくて、ハスキーという性質以外にも、発音の仕方や、音の作り方に特徴があるのではないかと思ったのだ(本人に自覚があるか不明)。ラップは高速に音を展開する必要があるから、活舌がよいに越したことはない。しかし、二階堂くんのラップに活舌の良さは感じられない。ひとつひとつの発音すべてに独特の「タメ」がある。「タメ」はあるけれども、リズムに遅れることはない。まるで、その音を鳴らす瞬間を計算し尽して「タメ」て、発音しているように聞こえる。この「タメ」のおかげで、ハスキーであったとしても、棘がない。むしろ甘さを感じるときもある。補足しておくと、彼は決して活舌が悪いわけではないのだ。スタジオ収録の番組やロケ番組で彼以上にうるさい人はいないし、聞き取れないと思ったことは一度もない(表情や言動の意味がわからないという意味で聞き取れないことはあったが)。

 

つまり、楽曲のセンスの良さはもちろんのこと、そのセンスがあって、彼の声があるからこそキスマイの楽曲は輝いていたのだ。

彼のラップのルーツをたどってみると・・・やっぱりdouble upだ。このとき、「メロディそろそろ歌ってよさ…」と思ったのは、私だけではないはず。でも、彼自身が「俺がラップパートをする」ことを選んで、今武器にしていることを考慮すれば、やっぱりなんだかんだ自覚あるのか…???なんて思ったりもする。彼はよくわからない。おもしろい。